HOME > 研究部紹介

研究部紹介

平成28年度 二一会研究会 テーマ
「中小企業の海外展開支援」
平成28年度 二一会研究部代表 弁護士 土森俊秀

第1 研究趣旨

昨今の経済社会環境下、取引先の海外進出に伴い、あるいは、自ら積極的に海外の需要を取り込みたい等の理由で、海外企業との貿易取引や海外進出等の「海外展開」を進める中小企業が増加している。
海外展開においては、紛争となった場合のコストの多大さから、予防法務とトラブル発生時の初期対応が極めて重要であるが、人的資源に制約のある中小企業においては、かかる認識及び対応力につき十分とはいえず、弁護士の法的支援が必要とされる。
ただ、海外展開については、これまでは主に渉外業務を行う法律事務所が扱っており、多くの訴訟業務を中心とする弁護士は業務として取り扱ってはきていない。
中小企業にとって、大手渉外法律事務所に相談することはコスト面で難しく、とはいえ、普段相談している顧問弁護士に相談しても、「海外展開についてはわからない」と言われ、結局法律面につき誰にも相談できないことが多々ある。
必要に迫られて、相手から送られてきた英文契約書にそのままサインしてしまい、非常に不利な内容の契約だった、あるいは、こちらのリスクを低減するために採っておく措置をとっていなかったことが後になって発覚する、ということは非常にありがちである。
中小企業の海外展開へのニーズにも対応していく必要がある。
海外展開をしている、あるいは検討している多くの中小企業が直面し、支援を必要とする法的課題は、必ずしも現地の弁護士でないと対応できないようなトラブルだけではない。
海外取引に関する典型的・類型的な内容ものが大半であり、また、必要とされる法的支援の中身も、基本的な予防法務や初期対応の助言であることが多い。
本年度の二一会研究会では、中小企業から海外取引についての相談や英文契約書に関する相談を受けた場合に日本の弁護士としてどのような法的支援ができるのか、ひいては今後の弁護士業務の拡大にどのようにつなげるのかという観点から研究していく。

第2 研究会の内容

1.概要

各会ごとにテーマ・発表者を決めて、英文契約書のひな形(基本的には和訳のあるもの)等をもとに、取引類型ごとに、取引において注意すべき点(国際取引上の注意点を含む)につき、勉強会形式で研究する。

2.各回のテーマ(予定)

(1)初回-導入講義(3月2日(水)18:30~を予定)
 ・中小企業の海外展開支援における日本の弁護士の役割
 ・海外ビジネスとリスクマネージメント
 ・英文契約の基礎
(2)売買基本契約(売主側)・販売代理店契約(4月初旬)
(3)購入基本契約(買主側)・生産委託契約(4月下旬)
(4)秘密保持契約・技術ライセンス契約(5月GW明けころ)
(5)合弁契約(6月中旬)
(6)法曹親和会夏期合宿での発表に向けて(7月)

第3 その他

1.出版

可能であれば、将来的に研究成果をさらに深化させた上で出版をめざすことも視野に入れる。

2.中小企業の海外展開について興味のある方への参考情報

(1)中小企業の海外展開支援に関連する日弁連研修

ア 中小企業の海外展開支援についてのもの
◯中小企業の海外展開業務に関わる実務上の諸問題
 第1回 海外取引に関する法的留意点
 第2回 海外進出に関する法的留意点
 第3回 英文契約の基礎知識(総論)及び国際取引契約の基礎(各論)
 第4回 現地法の基礎知識-中国法・ベトナム法
 第5回 現地法の基礎知識-発展途上国との取引の注意点
◯中小企業の海外展開サポートにおける法律実務~失敗事例から学ぶ成功ノウハウ~
◯海外子会社管理の実務~ケーススタディに基づくポイント整理~
◯現地法の基礎知識-インドネシア法
◯現地法の基礎知識-タイ法
◯税務面を考慮した中小企業海外取引の法的構造
◯(近々、「英文契約書作成の実務~販売店契約、生産委託契約、ライセンス契約などを例に具体的条項を検討する~」が出る予定

イ 法律英語
◯English for Lawyers 会話1-4
◯(近々、English for Lawyers のライティング編が出る予定)

(2)弁護士による中小企業の海外展開支援について
◯「中小企業の海外展開への法的支援-その意義と具体的な取り組み方」(自由と正義2015年2月号)
◯中小企業の海外展開支援に関する日弁連のウェブサイト
http://www.nichibenren.or.jp/activity/resolution/support.html

第4 参加者募集(連絡先)

ご高承のとおり、二一会研究部は、毎年定めるテーマに沿って研究及び発表に参加いただく先生方を登録期に関わりなく募集しております。
これまで研究部の活動に参加されていなかった、あるいは活動を中断されていた先生方にも広くご参加いただければ幸いです。
参加したい方、参加するかどうかは決めてないけれども興味がある方は、下記連絡先までご連絡いただけますと幸いです。

(連絡先)栗林総合法律事務所 弁護士 土森俊秀
TEL: 03-3539-2555
FAX: 03-3539-2556
Email: tt@kslaw.jp